外国人労働者。

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この数年、政府は外国人労働者の受け入れを徐々に緩和する方向に方針を変えつつあるようだ。在日外国人情報センターの"無料法律相談"にご協力いただいて いる行政書士さんの話では、昨年の秋頃から、いわゆる"労働ビザ"や"投資ビザ"などは、以前に比べればビザの発給条件が緩くなり、審査の時間も短くなっ ているようだ。コレをもって"全面受け入れは近い"というつもりはないし、単純労働者の無条件の受け入れなんて政府としては全く考えていないだろう。た だ、"必要とされる職種のプロ"に限っては入れたいということなのだろう。

 2月上旬、政府は日本とインドネシアの両政府が昨夏に署名した経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアから看護師、介護福祉士の候補者を 今年中にも受け入れることを明らかにした.両国が合意した派遣数は2年間で看護師候補400人、介護福祉士候補600人。日本はフィリピンからも受け入れ る方針だが、同国でのEPAの批准手続きが遅れているため、インドネシアが技術者や大学教授など専門的・技術的分野以外では初の外国人労働者の正式な受け 入れとなりそうだ。

 両国が合意した派遣数は2年間で看護師候補400人、介護福祉士候補600人。看護師はインドネシアの看護専門学校か大学の看護学部を卒業し2 年以上の実務経験があること。介護士も同様の看護の学歴があるか、ほかの分野の専門学校卒以上の学歴で、出国前に介護研修を受けることが条件になってい る。こうして日本に来た候補者は、6カ月間の日本語研修を受けた後、病院や老人ホームなどで助手として働きながら技能を身につけ、日本にいる2年のうちに 日本語の国家試験に合格すれば事実上無期限で在留し、そのまま施設で看護師、介護士として就労できるが、受からなければ帰国しなければならない。

フィリピンで看護師、介護士の就労問題が評判が悪い一因が、この日本語の国家試験だ。日本語学校でフルタイムで勉強している学生(現役の学生が多い)の場 合、漢字圏の中国・台湾人、文法がほぼ同じ韓国人であれば、1年間通えば8~9割は日本語検定1級に合格するのが相場だ。しかし、フィリピン人やインドネ シア人のような非漢字圏の国の人で、来日前に日本語を全く学習していない人が1年間日本語学校で学習したくらいで同検定1級に合格できる可能性はほとんど ないのが現実だ。ある日本語学校の先生によれば、同一条件の非漢字圏の現役の学生であっても2年間の日本語学校での勉強で1級に合格できる可能性は1割以 下、2級ならば5割ぐらいは合格するのではないか――ということだ。

 2006年の看護師の国家試験の合格率は88.3%、2007年の介護福祉士の国家試験の合格率は50.4%だ。現役の学生が主として受験し て、それでこの合格率だと言うことを考えた場合、非漢字圏からのである看護師・介護福祉士候補の人々がこの国家試験に合格するのは絶望的に難しいのが現実 だろう。

 こうした状況の中、政府は日本に長期滞在する外国人の入国や在留許可審査の際、日本語能力を要件として重視する具体策を外務、法務両省が検討す ることを決めたと、本年1月中旬、発表した。就労目的などで増加傾向にある外国人が地域社会に溶け込みやすい環境整備につなげるとともに、来日する外国人 にも日本語学習意欲を高めてもらうのが狙いだ。具体的には、入国時の上陸審査基準に日本語能力を新たに盛り込むかどうかや、在留期間の更新、資格変更時に 日本語能力の向上について確認するなど、何らかの形で考慮することが検討対象となる見通しだ。

 外務省によると、カナダでは就労目的の永住者が査証申請時に提出する略歴で、語学力を含む6項目をポイント化し、総ポイント数に応じて許可をし ているという。近年、英国、ドイツ、フランスなどのEU各国では、語学能力を重視する移民政策を取っている。ただ、これらの国では移民を望む外国人(フラ ンスではフランス人の配偶者をも含む)の語学能力を向上させる(最終的には語学試験に合格しなければ在留は許可されない)ことを目的とする"フランス語教 室"を設けている。ここで注目されるのは、この"フランス語教室"は国家の資金で運営されているところだろう。

 本音として政府は外国人労働者を必要としている。だが、"外国人労働者"なら誰でも歓迎と言うわけではない。最低限の基準を日本語能力に置いた わけだ。それならば、単に基準を押し付けるだけではなく、学習する機会を設けてあげて、それに受からないのであればお帰りいただく......というやり方がフェ アーなのではないか?

 また、必要とされる日本語が"何か"という問題もある。文章の読み書きであれば漢字圏の人々が有利になるのは明らかだ。だが現実には漢字圏の人 々は聞く・話す能力はそれほど得意ではない。むしろ非漢字圏の人々の方が、この能力は高いようだ。フィリピン人を見ればご納得いただけよう。

 聞く・話す能力は抜群であっても、文字はひらがな・カタカナ止まりという人は多い。というか、公的な文章をフィリピン語から日本語に翻訳できる 人を探しだすのは至難の業だ。永年、フィリピン語→日本語、日本語→フィリピン語の翻訳を受けてきているが、これができる日本語能力の持ち主は、多分数 10人程度のものだろう。

 こうしたフィリピン人が、これから政府が画策している日本語能力の試験で、読み書きは得意だが聞く・話す能力に欠ける人々と比べた場合、不利な扱いを受けないように注目して行く必要があるのではないだろうか。

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このページは、shizukaが2008年3月 5日 21:55に書いたブログ記事です。

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